帝王切開のリスクは母体にも?自然分娩より痛みなく楽って嘘だ!

帝王切開というと、自然分娩よりも楽という印象を持っている人も少なくないはず。陣痛の痛みも分娩時の痛みもないから自然分娩よりも楽だと考えている人もいるようです。「陣痛も分娩痛いから次は帝王切開にしてくれって先生に頼んだ」とか「帝王切開は痛くないからいいよね、私は無痛分娩にする」とか、周りのママさんからは思わぬ言葉が出てきます。

「帝王切開なら陣痛もないし出産時の痛みも麻酔が効いているからないなんて楽だよね〜!いいなぁ!」と言われたことのある私からしてみれば「帝王切開したことない人に何がわかるのか!こちとら命がけじゃ〜!!」と憤りを感じてしまいます。

ここにきた人も、多かれ少なかれ帝王切開の可能性が有る方や、帝王切開について何か嫌なことを言われたことがある人かもしれません。自然分娩より楽だなんてありえません。大切な我が子を安全に産むための最善の策だということに胸を張ってください。

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今回は、楽だと思われている帝王切開のリスクについて調べてみました。胎児のリスク、母親のリスク、帝王切開の実体験について書いていこうと思います。

帝王切開で胎児に関わるリスクとは?

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おむつ

帝王切開における胎児へのリスクも勿論あります。母親だけでなく、赤ちゃんだって命がけなのは自然分娩だけの話ではないのです。

肺液の吸収不全

肺液の吸収不全というのは、自然分娩時に起こる胎児への変化が、帝王切開で出生するが上に省略されてしまうことで、肺液の吸収が遅れてしまい呼吸不全を起こしやすくなることだそうです。一般的には数日で肺液は肺の中に吸収されるので、注意深く経過の観察がされていれば落ち着くそうです。

呼吸器系の未熟さ

呼吸器系の未熟さというのは、予定帝王切開の場合陣痛が始まる前の37〜38週あたりで行われるため、週数が早すぎた場合に、胎児によっては呼吸機能が完全でない場合があるそうです。妊娠の週数自体が1週間ほど真の妊娠のタイミングからずれていることもあるため、このようなことが起きるそうです。呼吸機能が不完全な場合ですと、出生後に呼吸障害の頻度が多くなるそうです。

私自身、この37週をギリギリまで待って予定を立ててもらい帝王切開でした。我が子たちは双子にしては二人とも出生時に2700g近い大きさに育っていましたし、呼吸器系の障害も今の所は感じられないので、運が良かったのだとつくづく思っています。

麻酔薬の影響

麻酔薬の影響、全身麻酔と半身麻酔で違うそうです。私は半身麻酔で、郊外皮膜麻酔・脊椎麻酔を打たれました。この麻酔は薬剤が胎児へ直接与える影響はないそうですが、麻酔の際に仰臥位低血圧症候群というものが発生すると、高度の低血圧になってしまうそうです。これが長時間続くと、胎児に酸素が届きにくくなるので、胎児が苦しくなる恐れがあるそうです。

また、全身麻酔の場合は直接薬剤が胎児に影響を与えるので、麻酔が効いている時間が長いと胎児は眠ったまま出生し、しばらくスヤスヤしているそうです。この場合でも、呼吸の管理を行っていればそのうち目を覚ますそうです。

そのほか

また、呼吸器系のマイナートラブルというものも多いそうです。胎児にとっては狭い産道を通ることなく誕生することができます。胎児にとって楽な出生方法と言われていますが、時間をかけて産道を通りながら、母親のお腹から出てきて外の世界へ適応する準備をするそうです。正産期の帝王切開であっても、出生後に呼吸器系のマイナートラブルを起こすこともあるそうです。

自然分娩であっても、赤ちゃんは命がけで外に出てきますよね。苦しい思いをしながら狭い産道を通らないで済んでも、帝王切開で生まれるにはそれ相応のリスクを、胎児側も背負っているということなんですね。

双子であれば、帝王切開になる確率は高くなると言います。通常の妊娠よりも早産であったり、胎児の成長が未熟な状態も多いです。そうなれば必然的に、帝王切開で生まれるリスクは高くなるのではないでしょうか。私は正産期に入った37週目で予定帝王切開にて出産をしましたが、双子の場合ここまでもつかどうかもわかりません。

単胎児であってもリスクがある帝王切開ですから、双子や多胎児にはさらなるリスクとなりえそうですよね。それでは、母親にはどのようなリスクがあるのか確認してみましょう。楽だなんて言わせません!!

帝王切開をすると母親にはどんなリスクがある?

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帝王切開には母親にもリスクがあります。もちろん、手術前に同意書を書くので説明もしてもらえますが、手術中に何が起こるかはわかりませんからね。心配しすぎるのもよくないけど、何も知らない人に「楽チン」と思われるほど、気楽なものでもないです。

傷と痛み

どうしても避けられないのはお腹に傷ができること。もちろん術後に痛みをともないますし、帝王切開をする以上仕方のない話ですが、分娩後にかなり体に負担がかかります。というのも、単純に傷の痛みもありますが、腹筋を切っているので体を起こすのにも一苦労です。

わたしはベッドの手すり掴まって、まず横向きの体勢にしてから片方の手で手すりにつかまり、体の下側にある腕の力で体を持ち上げていました。実際、力を入れれば傷は痛むし、傷口が開きそうで怖かったです。産後の後陣痛の子宮の収縮する痛みと傷の痛みで、術後麻酔がとれて次の日の歩行訓練時はトイレに行くために立ち上がることができず、脂汗をかきながら時間をかけて立ち上がったのを覚えています。

トイレに行っても、立ったり座ったりが辛く怖く、排便はお腹に力を入れるのが痛くて怖かったので便秘になってしまいました。授乳室までの廊下も異様に長く感じ、母子同室になってからも授乳のたびに体を起こすのが辛かったです。

出血

また、出血が多いのも帝王切開にはつきものだそうです。「子宮切開部位からの出血」「子宮弛緩出血」「癒着胎盤」「前置胎盤」といった、出血に関するリスクが多いのです。大量に出血となれば輸血も止む終えないということは術前の説明にてされました。

子宮切開部位からの出血は致し方ないことですよね。通常は、胎児を取り出し、子宮が空っぽになったらすぐに縫合をするそうです。少しでも手術時間を短くすることで、出血を抑えるためですね。双子の場合、1人目が取り上げられてから、数分で2人目が取り上げられます。わたしの場合、2人の出生の差は2分でした。すぐに縫合されましたが、出血量が多かったため点滴を施されました。

  • 子宮弛緩は、子宮の収縮不足が原因で本来止まるはずの出血が、なかなか止まらないことだそうです。産後は、大きくなった子宮が元の大きさまで戻るのですが、その戻り具合が悪いときに起こりうるということですね。子宮収縮剤という薬を使用することもあります。
  • 癒着胎盤は非常に珍しいそうです。子宮になんらかの理由で胎盤が癒着している場合です。産後は自然に子宮が収縮するために胎盤が剥がれ落ちるそうですが、なんらかの理由で胎盤が子宮の筋肉に食い込んでしまっていると、なかなか剥がれないそうです。剥がさないと子宮が収縮できずに出血が増えるし、無理に剥がせば大量出血になりかねないのです。胎盤を剥がすことで大量出血が免れない・・・という判断をされた場合には、子宮を全摘出するという選択にもなりうるそうです。母親の命を守るため、この選択がされる場合もあるんですね。
  • 前置胎盤は子宮の入り口付近に胎盤が付着した場合です。自然分娩が困難か、出来なくなる状態になります。前置胎盤では帝王切開が絶対的に適応されるそうです。これも、胎盤の付着に関わることだそうですが、本来あるべき場所でない所に付着することで、胎盤を剥がした後に大出血を起こす可能性が高くなるんだそうです。

そのほか

感染症や深部静脈血栓症(DVT)、イレウス、周辺の臓器の損傷といった、出血以外のリスクも伴います。傷口に細菌が侵入して縫合された箇所が開いてしまったり、子宮を切開する上で周囲の臓器を傷つけてしまう可能性もあります。このような説明もされますが、詳しくは、コチラのサイト様にわかりやすく説明されているので目を通してみてください→「産婦人科の基礎知識」URL:http://www.san-kiso.com/index.html

実際に帝王切開を体験して

実際に体験したので、帝王切開の辛い所を書き出してみようと思います。命に別条は今の所ありませんが、生活の中で苦労することもありますし、次の子を産むかどうかの悩みの種でもあるのは事実です。

手術前も痛い

麻酔が痛いです。郊外皮膜麻酔・脊椎麻酔を打たれますが、横向きになりできる限り背中を丸めて打ってもらいます。郊外皮膜麻酔が先に打たれますが、結構な痛みです。脊椎麻酔を打つために打たれるのですが、体験者は皆、この麻酔が痛いということをよく知っています。

手術中も痛い

麻酔してるから痛くないんでしょう!と思っていませんか?いや、痛いです。半身麻酔だったので意識はしっかりありましたし、自分の状況がどうなのか?を頭の上で実況中継してくれる麻酔科医の先生もいたので、手術中の様子も丸わかりです。

勿論、双子の元気な産声も効いたし、枕もとまで見せに来てくれたので対面もすぐしました。ですが、術中、切開の痛みはありませんでしたが、胎児を出す際にお腹の中をギュウギュウと押されて圧迫される感覚や、胎児が出た後の縫合時に、子宮が収縮する痛みなのか、かなり痛くて寒気がしました。痛みが辛くて悶絶していたら麻酔をさらに投与されました。

術後も痛い

これは、麻酔が切れてきた時から痛感します。少しずつ体を動かすように言われますが、腹筋も切っていて力が入らない上に、傷口と後陣痛の痛みで脂汗必至です。傷口の痛みは相談すれば痛み止めをもらえますが、後陣痛の痛み止めはないようです。傷口に怯えながら育児はすぐにスタートするので、慣れるしかありませんが、痛いことなんていくらでもあります。

産後1年半が経っても、傷口の上を踏んでいく我が子が恨めしくなる時もあります。

帝王切開ということをマイナスに捉えすぎないで

胎児におけるリスクも、母親におけるリスクも、体験した痛みも事実です。これから帝王切開の方は不安が大きくなってしまったかもしれません。でも、マイナスに捉えすぎないでください。病院の方針にもよりますし、術後の母子の状態にもよりますが、愛する我が子に何日も会えない!なんてことはないはずです。

母子同室にすぐ慣れなくても、私の場合は看護師さんが2人がかりで双子を病室まで連れて来てくださって、カンガルーケア的なことをさせてもらいましたし(麻酔で動けませんでしたが)、一緒に写真も撮ってもらいました。

自然分娩だって、リスクはあります。新しい命が生まれるってことは、母親も赤ちゃんも命がけなんです。だから、自然分娩か帝王切開かで優劣のようなものをつけるのは馬鹿げているし、あなたが帝王切開で出産しても、その子供の母親じゃないなんてことはないんだから、胸を張っていて欲しいです。

私も色々言われて凹んでいた時期がありましたが、何も知らない人に言われる筋合いもないし、それが最善の策だったんだから!と思うようにしています。ちなみに、帝王切開で生まれた子は、狭い山道を通らないせいか頭の形が綺麗だという話を聞きましたよ(笑)

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