節分の食べ物にいわしって初耳!食べる理由とは?
節分の時にいわしを食べるって新しい習慣?いえいえ、実は昔からの風習なんです。理由だってちゃんとあるんですよ。
節分の時に食べる物といえば、豆撒きの豆と最近では恵方巻きを食べる人が増えましたよね!恵方巻き自体も元々は関西の風習だそうですが、関東圏にも広まって今や節分の時に食べる物の代表格。しかし!!忘れちゃいけないのはいわしの存在。
- 節分の食べ物で検索するとなぜか「いわし」がヒットする。
- スーパーで節分用にと売り出されていた。
なぜ節分に「いわし」を食べるのか理由をご存知ですか?実は節分には欠かせない理由があるのです。と、言いつつも私も初めて聞いたことでした。そこで、節分の日の献立に恵方巻き+αの存在となりうるのか気になったので、今回は節分の日にいわしを食べる理由と、その簡単に取り入れられる食べ方について調べてみました。
節分の日にいわしを食べるって初めて聞いた!なんで?!
節分の用意をしようと買い物に行ったら、節分用にいわしが売り出されていた!どうして?!
節分にいわし料理ってどうやって取り入れるの?
そんな疑問を解決しちゃいましょう!!
目次
節分の日にいわしって?元は食べるのが目的ではなかった?!
節分の日には、何を食べますか?豆?恵方巻き?おそらくこの2つを答える方が多いでしょう。2015年の節分の際に、「節分にちなんで実地したこと」というアンケートをとった会社があるのですが、
- 太巻き(恵方巻き)を食べた・・・49.7%
- 豆を食べた・・・31.4%
- 豆撒きをした・・・31.1%
- 特に何もしなかった・・・32.9%
という結果が出たそうです。このアンケートは複数回答可のアンケートなので、豆を撒いて豆を食べ恵方巻きも食べた方もいるでしょうし、1つだけの人もいたと思うのですが5割近い人が恵方巻きを食べているのです。
これだけ恵方巻きの文化が定着しつつある中で、いわしの存在が明らかになってきた昨今。その存在意義が気になって仕方ありませんよね。そこで、いわしについて節分の風習から探っていくとしましょう。
節分の風習
節分とは本来、季節の節目のことを言います。日本には二十四節気の中に立春・立夏・立秋・立冬がああるので、本来は節分自体は年い4回あるのです。そんな中でも、立春は1年のはじまりと、昔からとくに尊ばれ、節分といえば春の節分をいうようになったそうです。
そして、西日本には節分に鰯の焼き魚を食べる「節分いわし」の風習があります。節分にはいわしの頭を柊の枝にさし、戸口に立てる習慣もあるそうです。おや?これはいわしの予感・・・なぜ戸口にいわしと柊の組み合わせなのでしょう?それは鬼の嫌いなものに関係があったのです。
鬼の嫌いなもので鬼退治
嫌いなもの其の一・・・豆
節分といえば鬼退治。鬼退治には豆!!
実はこの豆撒き、日本古来のものではなく、中国の習慣が伝わってきたものとされています。豆=魔滅(まめ)とし、魔を滅するということから無病息災を祈願する意味があるのだそうです。そして、日本の古い言い伝えに、京都の鞍馬に鬼が出た際、毘沙門天のお告げによって大豆を鬼の目に投げつけ退治したという言い伝えがあります。
鬼の目=魔の目に投げつけて魔を滅する=魔滅と通じているんですね。
豆は鬼の嫌いなものとして有名なのはこのことからきているのでしょう。ちなみに、豆撒きに使う豆は炒り豆でなければいけませんよ!ビールのおつまみの枝豆で代用なんて考えちゃいけません。生の豆だと拾い忘れてうっかり目が出てしまったら縁起が悪いですからね。
炒る=射るとされ、鬼や大豆は陰陽五行説で言う所の「金」にあたります。「火」で豆を炒ることは鬼を封じ込めるとされているんですって。
最後にそれを人間が食べることで、鬼退治完了!というわけです。
ここまでで、節分のはじまりが鬼を追い出す行事から来ていたことと、なぜ鬼退治に豆を用いたということもわかりましたね。でもここで終わりじゃなんです!だっていわしが出てきてない!!
実は、鬼には豆以外にも苦手なものがあるのです・・・。
それが「いわし」と「柊」です。
嫌いなもの其の二・・・音
豆撒きの風習は中国から伝わってきたものというのは先ほども書きました。その中国では鬼を追いだすために豆と一緒に爆竹を焚いて大きな音をたてるそうです。そうです、鬼は大きな音が嫌いなんです。そういえば、中国では春節の時に爆竹を大量に鳴らしますよね。
中国の昔話の中に、ニェンという化け物が村を襲った際に赤い服の人と、焚き火で竹を焼いていた子供たちだけは襲われなかったそうです。其の化け物は赤い色と竹が焼けるパンパンと弾ける音が嫌いで逃げたのだとか。
きっとこのニェンという化け物=鬼なんですね。その化け物を追い払った日を、ニェン(年)が過ぎ去ったとして、”過年(グオニェン)”と呼ぶようになったそうです。過年とは年越しの事をさし、旧正月の春節のにつながるわけですね。
この風習が日本に伝わった時は爆竹はなかった時代。まだ火薬を使う技術がなかった時代に、火にくべるとパチパチと弾ける音のする柊を使用するという説があります。
単純に柊の葉が棘が鋭いので、それで鬼を刺すというのが一般的な解釈ですが、地方によっては棘のないユズリハを使用する地域もあります。攻撃するのが目的でないのなら、こちらの音が嫌い説のほうが有力と思えますね。
さぁ、いよいよ、いわしの出番です!!
嫌いなもの其の三・・・臭い
鬼の嫌いなもの其のさんは「臭い」です。以外にも繊細な嗅覚の持ち主ですね。いわしの頭と柊を戸に飾るという風習があることは先でも述べていますが、このいわし、とっても弱い魚なんです。名前の由来としては
陸に揚げるとすぐに弱って腐りやすいので「よわし」から変化した説
貴族の食べ物ではない卑しい魚という意味で「いやし」に由来する説
があります。このいわし、陸にあげるとすぐに死んでしまい腐りやすい上に、腐ると強烈な臭いだそうです。そして鬼はいわしを焼く煙と、その臭いが怖いのだそうです。
いわしを食べる理由
このいわしを門に飾ることで、その臭いで鬼を追い払おうという作戦な訳ですね。鬼を追い払う臭いのために、ニンニクやらっきょうを用いる場合もあるそうですよ。ドラキュラか!と突っ込みたくなりましたが、アジアも西洋も化け物は臭いに弱いのかもしれませんね。
ちなみに、西日本の風習でもある柊鰯(ひいらぎいわし)は、節分に使われる魔除けです。柊の小枝と焼いた鰯の頭をそれを門に飾るのだそう。西日本では、
- やいかがし(焼嗅)
- やっかがし
- やいくさし
- やきさし
などの呼び名だそうです。柊と鰯の頭のコンビネーションは
柊の葉の棘が鬼の目を刺すので門口から鬼が入れない
いわしを焼く臭気と煙で鬼が近寄らない
逆にいわしの臭いで鬼を誘い、柊の葉の棘が鬼の目をさす
という意味があるのだそうです。ですが、
- いわしの頭を門や戸に飾ると衛生的に良くない
- いわしの頭が臭う
- 猫が食べちゃう
などの難点もあるんです。
柊鰯を飾ることができなくても、魔除けをするために、節分の際にいわしを食べるという文化が生まれて行ったのですね。確かに、鬼の嫌いないわしの臭いが人間からしていたら、最悪家の中に踏み込まれても慌てて逃げて行ってくれそうですね!
西日本中心の文化だったものが、最近では関東地方でもいわしを食べる習慣が広がりつつあるそうです。2015年の食卓調査では、節分の際に魔除けを意識していわし料理を食べたという人が増えたそうです。
さて、いわしの存在意義がわかったところで、おまけとして、いわし料理をご紹介。
恵方巻きだけじゃ物足りない!いわしで小粋な節分献立を!
和洋問わず、色んな調理方法で魔除けいわし料理を楽しみませんか?!ということで、いわし料理をご紹介します。旬は夏から初冬のいわし。料理法は多彩(焼く、煮る、揚げる、蒸すなど)で、旨味が強いので煮干しにしてお出汁にもされていますよね。
生のいわしで王道魔除け料理!
- いわしの丸焼き(塩焼き)
- いわしの梅煮
- いわしの生姜煮
- いわしの蒲焼
- いわしの南蛮漬け
- いわしのフライ
- いわしの天ぷら
- いわしのつみれ汁
- なめろう
- カルパッチョ
缶詰のいわしで小洒落た魔除けを楽しむ!
- アンチョビでバーニャカウダ
- オイルサーディンのホイル焼き
- いわしハンバーグ
- アンチョビのパスタ
- アンチョビのピザ
毎年コンビニやスーパーで恵方巻きを買って食べているけど、それだけじゃ物足りない!そんな時は節分の日に用意する献立の中に、手軽に取り入れられるいわし料理でワンランク上の節分の日を迎えてみるのもいいですね。
最後に
いわしの存在理由、ご理解いただけたでしょうか?つべこべ言わずに美味しくいただきましょうよ!という気持ちもあるのですが、欧米化が進む昨今、季節の行事や風習、文化は日本特有のものは特に大事にしたいと感じる今日この頃。
なぜそうなのか?それを知って食べるのと、知らずに食べるのでは何かが違う気がします。
そういえば、豆撒きは誰が行うべきかご存じですか?一般的にはその家の主人もしくは「その年の干支生まれ」の人が豆をまくものです。そして、家族は自分の数え年の数だけ豆を食べますよね。小さい頃は楽しかったのですが、大きくなるにつれ年の数だけ豆を食べるのが苦痛になってくるということは心にしまっておきましょう。
数え年の数だけ豆を食べると、病気にかからず健康な年を過ごせるのですからね!今後はいわし料理も追加して、しっかり魔除けして良い年にしましょう!
この記事へのコメントはありません。